2011年12月24日土曜日

ノルウェー首相のスピーチ② デモクラシーをより強固に

事件から4日後、7月26日(月)に首相はシティホール広場で2度目のスピーチをおこなった(原文はここ)。
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この日少なく見積もって15万人以上がシティホール広場(City Hall Square)に手にバラの花を持ちつめかけた。ノルウェーのほかの都市でも同様の行進が行われた(ソース)。

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ノルウェーの国民人口は約490万人で日本の県でいうと福岡県(約500万人)位。経済規模でいうとノルウェーと九州はほぼ等しい(以下参照)。
              出所: The Economist
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シティホールスクエア―での首相スピーチ 2011年7月26日
イェンス・ストルテンベルグ ノルウェー首相

みなさん、

なんという光景でしょう!
私は今国民の意思に正面から向き合っているのです。
あなた方は国民の意思です。
何千何万ものノルウェー人が、オスロでそして国中で、この夕べあなた方が行っているのと同じことをしているのです。
同じ断固としたメッセージを携え、街路や広場や公共の場所に繰り出しているのです―我々は打ちひしがれている、けれど打ち壊されてはいない。トーチとバラの花を掲げ、我々は世界にメッセージを送っているのです―我々は恐怖によって打ち壊されたりはしない。恐怖への恐れが我々を沈黙させることはない。

今日こうして目の前に見る人の波と国中の人々から寄せられる暖かさによって、私は自分が正しかったことを確信しました。
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ノルウェーはこの試練を乗り越えるでしょう。悪は個人を殺せるかもしれない、しかし全国民を打ち負かすことは決してできないのです。今晩、ノルウェーの国民は歴史を綴っています。この世で最も強力な武器、言論の自由とデモクラシーを持って、我々は2011722日以後のノルウェーが進むべき道を切り開いているのです。

722日以前のノルウェーと7月22日以後のノルウェーが存在します。けれどノルウェーがどのようになるかについて決めるのは我々なのです。

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ノルウェーの将来は明白です。我々の返答は、我々が通りぬけてきた数えきれない時間、昼、夜によって大きなものに育ち、この夕べを経ることでそれはさらに力強くなるのです。一層の寛容さ、一層の民主主義を、決意と力をもって。これが我々です。これがノルウェーなのです。我々は我々の安全を取り戻すのです。

オスロとウトヤ島の襲撃以来、我々はショックと絶望と嘆きによって団結してきました。そして我々はこれからもそうし続けるでしょう。けれど、我々の団結はこのような形からだけではなくなるでしょう。もうすぐ、我々のうち何人かが再び日々の暮らしに目を向けることができるようになるでしょう。まだ時間がかかる人もいるでしょう。この相違を尊重することが大事です。どのような嘆き方もすべて同様に正常なのです。

我々はこれからもお互いを気遣わなくてはなりません。我々が気にしている、ということを示さなければなりません。最もひどく打ちひしがれた方々に話しかけてください。人間としての同輩でいてください。ここに集まった我々から愛するものを失ったすべての方にメッセージがあります。我々は皆様のためにここにいます。

我々は2011722日以降のノルウェーにも関心を向けるでしょう。国中が悲しみにくれているなかで、あまりにも多くのそしてあまりにも断固とした結論を下さないように注意する必要があるでしょう。けれど、今晩お互いに誓い合うことのできる確かなことがあります。

第一に、この痛みのなか、何か貴重なものが根付いたのを垣間見ることができます。この夕べに我々が見ているものは第二次世界大戦以降、ノルウェーの国民が参加したなかで最も大規模で重要な行進かもしれません。デモクラシー、連帯、そして寛容のための行進です。

今この時、国中の人々が肩と肩をよせあい立っています。ここから学べることがあります。これをもっとつくりだしましょう。我々の一人一人が皆、デモクラシーの土台を少しづつ強いものにすることができるのです。これが我々がこの場で見ていることなのです。

第二に、ここに集まったすべての若者に伝えたいことがあります。ウトヤ島の殺戮は、世界をよりよい場所にする手伝いができるというあなた方の夢への攻撃でした。あなた方の夢は残酷にも打ち壊されました。しかしあなた方の夢はまだ実現できます。あなた方はこの夕べの精神を抱き続けることができます。あなた方は世界をよいものにできるのです。そうしなさい!

あなた方に簡単なリクエストをしたいと思います。政治に関わり続けなさい。他人を気遣いなさい。組織に加わりなさい。ディベートに加わりなさい。声をあげなさい。自由な選挙はデモクラシーの王冠です。それに参加することで、あなた方はデモクラシーに対してはっきりとしたYesを言うことになるのです。

最後ですが、私は、重大な時に直面したさい、デモクラシーを守るため、人々が花とキャンドルを手に取って通りに姿を現す国に住んでいることに心から感謝しています。

亡くなった人たちを褒め称えましょう。

これはNordahl Griegが正しかったことを示すでしょう。
「この国に住む人はとても少ないから、亡くなった人はみな兄弟であり友達だ」

2011722日以降のノルウェーを創り始めるにあたり、我々はこの精神を携えていくでしょう。
我々の父と母は我々にこう約束しました。
「再び49*が訪れることは決してない。」
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我々はこういいます。
「再び722日が訪れることは決してない。」

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*194049日から610日までノルウェーはドイツの占領下におかれた。