2011年9月29日木曜日

サムスンvs日本メーカー③売上(「何」を「どこ」で売っているのか?)

前回はサムスン(電子)と日本メーカーのBS及びPLの比較をしてみたが、今回はサムソンの売上を日本メーカーと比較するかたちで概観してみる。


便宜のため、前回使用した各社の直近期の売上表(単位兆円)を以下に再掲する(サムスンの計算方法は前回のポストに記載)。
以下ではサムスンのHPを参考にして2010年1-12期における売上の項目及び地域ごとの数字をグラフ化した。
比較のために上表の日本メーカの中で最も売上の大きい日立製作所について同様のグラフを以下にのせる。
注:日立製作所の売上構成は日立のアニュアルレポートにある項目をそのまま抜き出したものである。

サムスンと比較すると、日立製作所の売上構成品目/部門(11部門)の多さと、売上に占める国内割合の大きさ(57%)が目につく。
ただし、以下に示す各社の部門別の売上割合が示すように日立の売上構成品目/部門の多さについてはむしろ日立の特殊事情といったほうがいいかもしれない。
一方サムスンと比較した場合の国内売上比率の大きさ(=海外売上比率の小ささ)は日立の特殊事情ではなく、ここで取り上げた日本メーカーのすべてに共通する。

以下に各社の直近期の売上高に占める国内及び海外売上比率を示す。
サムスンの国内(=韓国)売上割合は日本メーカーの国内(=日本)売上割合と比較するとかなり小さい。これをもってサムスンは「グローバル化が進んでいる」と見るのか、あるいは「国内の市場が日本と比べて小さいため海外売上の比率が大きくならざるおえない」と見るか、あるいは「国内市場の小ささ」→「結果としてグローバル化に成功」ととらえるべきなのかはよく分からない。