2011年9月20日火曜日

北朝鮮-食糧事情・交通インフラ

以下、北朝鮮の食糧事情とについてのEconomist(Sep 17 2011)記事。


・この夏の冷夏と洪水により、北朝鮮では首都である平壌(Pyongyang)を除くほとんどの地域で食糧不足(飢餓)がおきている、と援助団体は警告している。
・北朝鮮の支配層は国民を51の社会階層にカテゴライズしており、そのうち29の階層を下層階級(underclass)として分類している。
・下層階級に属するほとんどの国民は都市ではなく、田舎に住んでおり、食糧不足に苦しんでいる(犬の死骸や腐った食糧も食べているとのこと)。
・このような状況にあってなぜ国民が反乱を起こさないのか、についてGo Myong-hyun氏の解釈。
  1. 北朝鮮の都市化の進行率は25%ほどである(=3人の田舎に住む農民と1人の都市居住者)
  2. 都市に住んでいない農民は自分で農業を(自給自足で)行うことにより飢えをしのいでいる
  3. 重要なのは北朝鮮の国内の交通インフラ(鉄道・道路)は日本植民地統治時代に整備された国内西部側以外の北部・東部では未発達であること。
  4. 結果として食糧・援助物資の供給は西部で比較的良好ではあるが、東部と北部では劣悪なまま。
  5. この結果として北朝鮮自体が外部世界から隔離されているのと同時に、国内の東部に住む(大部分は下層階級の)住民は国内の食糧供給のネットワークから隔離されている。
  6. この隔離は結果として、支配階層にとってこれらの国民に食糧を供給する負担を軽減させるとともに、これらの国民が結束して反乱を起こす可能性を低下させている。
北朝鮮の相対的経済状況はGapMinderやCIAのFactbookで確認可能。