以下はこの章でCIAからの資金援助等を受け取りCIAのために働いたとして名前が挙がっている日本人:
- 有末清三(陸軍中将)
- 河辺虎四郎(参謀次長)
- 渡辺渡(少将):この3名はCIAの対共産主義工作のために働いた
- 児玉誉士夫(政治フィクサー):CIAから資金を受け取り、朝鮮戦争用にタングステンという金属を必要としていた米軍のため、日本軍の貯蔵庫から軍事物資を盗み出しアメリカに密輸出。それによって得た莫大な資産の一部を保守政党(自民党)の政治家に流したとされる。なおCIAの支局報告は児玉について「彼は職業的なうそつきで暴力団、ペテン師で根っからのどろぼう」としている。(P217)
- 岸信介(総理大臣)及び自民党の政治家達:巣鴨拘置所から釈放後岸はCIAの資金/情報援助などを受けながら総理大臣にのぼりつめる。「アイゼンハワー自身も、日本が安保条約を政治的に支持することと、アメリカが岸を財政的に支援することは同じことだと判断していた。大統領はCIAが自民党の主要議員に引き続き一連の金銭を提供することを承認した。~この資金は少なくとも十五年間にわたり、四人の大統領の下で日本に流れ、その後の冷戦期間中に日本で自民党の一党支配を強化するのに役立った。(P223)」
- 賀屋興宣(戦時内閣の大蔵大臣、戦後の自民党の政治家):岸信介、佐藤栄作の最も近い助言者の役割を果たした賀屋もCIAの協力者だった。「ダレスは賀屋を自分の工作員だとみなしていた。(P226)」。なお賀屋は石原慎太郎の小説「公人」の主人公のモデルとされる人物でもある。
我々は占領中の日本を動かした。そして占領後も長く別のやり方で動かしてきた。(P227)なお、CIAが日本を含む各国で秘密工作を行ったことは確かだがCIAの作戦がどこまで成功したかについてはかなり議論がある。CIA秘録のティム ワイリーはCIAの活動による成果については懐疑的である。