次回から数回、アメリカの経済学者による世界(主にアメリカ)の所得分布を扱ったポストを載せていく予定だが、その前提知識としてThe Big Pictureというブログに載っていた「トップ1%層の所得が国民の総所得に占める割合」を示したクロスセクション(1980/2008年)でのグラフを以下に貼り付けた。
なおこのブログでは以前、各国のトップ1%層の所得割合を時系列で比較したポストを載せている。
以前のポストでも指摘したように、トップ層が総所得に占める割合の比率は1940年以前は高く、第二次大戦後1940年代に急低下、その後1970年代まで低位安定した後、上昇に転じている(U字型を描く)。
なので上に見るようにほとんどの国で1980年よりも2008年のほうが比率が高い。
特にアメリカ(トップ1%が総所得の18%)・イギリス(同14%)の所得格差*は急増し、スウェーデン、オランダ、デンマークなどは所得格差がほとんどひろがっていないことが分かる。
*「トップ1%層の総所得に占める割合」を「所得格差」としていいかどうかは議論があるが、ここでは両者を同一視した。