2012年2月20日月曜日

安土城之図

今回は「安土城之図」について少し。これは戦国時代に特異な個性を発揮した織田信長が、その人生の絶頂期に自身で指揮をとり全権を振るってつくりあげた安土城*の全貌を当時の天才絵師・狩野永徳が描いたといわれる屏風図である。信長は製作途中の永徳に対して細かい指示を再三繰り返し、完成後ほとんど人に見せず、当時の天皇が欲しいといってきても渡さなかったということで屏風のスケッチすら残っていない。美術愛好者の間では是非見たいという声が絶えない品物である。
*安土城は焼けてしまったので天守を含む安土城の全貌がどういうものだったのかよく分かっていない

織田信長はこの屏風図を、ローマ教皇への土産として天正遣欧使節に持たせた。その後ローマ教皇庁に渡ったこの絵はバチカンの宝物庫でなくなったらしく、今に至るまで見つかっていない。

この記事によると最近でも調査団が組織されてバチカンのローマ法王庁を探索したが結局みつからなかったらしい(なお記事にでてくる若桑氏クワトロ・ラガッツィの著者)。

ドストエフスキーのカラマーゾフの続編はもう永久に読めないが、この屏風はまだなくなったと決まったわけではないので、いつかは見てみたい。


↑「安土城之図」レプリカ(想像図)