2011年10月4日火曜日

サムスンvs日本メーカー⑦発行済み株式に占める外国人比率

コーポレートガバナンスの側面に少しだけ触れる。以下は発行済み株式総数に占める外国人投資家の割合である。


*サムスン電子と日立の比率は2011年6月末時点。他はすべて2011年3月時点のものである。
見て取れるようにサムスン電子の株式の過半は外国人投資家によってしめられている。ただし、これによって外国人投資家がサムスン電子の経営権を握っているわけではない。サムスングループの形態について次のポストで概観する。

2011年10月3日月曜日

サムスンvs日本メーカー⑥ これまでの整理

前回まで複数の側面からサムスン電子と日本メーカーの比較を行ってみたが、以下に要点を書きだしてみる。
  • 2011年9月27日時点のサムスンの時価総額は日本メーカー(Sony、Panasonic、東芝、日立、富士通、NEC)6社の時価総額を合計した額よりも大きい(比較に使う為替レートの問題はあるが)。
  • 直近期のサムスンの営業利益/売上高及び営業利益/総資産比率は日本メーカーの倍以上である(直近の業績が悪かったSonyだけを取り出すと10倍以上になっている)。
  • 直近期のサムスンの純資産/総資産比率(総資産に占めるエクイティの割合:67%)は日本メーカー(21%-37%の間)の2倍近い。
  • サムスンの直近期の売上全体に占める国内売上の値は、日本メーカーのどこよりも小さい(=したがってサムスンの海外売上比率は日本メーカーのどこよりも大きい)。
  • 研究開発費の売上に占める比率はサムスンと日本メーカーの間で大きな差異はない。
  • 直近2期のキャッシュフロー表によるとサムスンは成長に必要な投資を営業CFからまかなっている。

2011年10月1日土曜日

サムスンvs日本メーカー⑤キャッシュフロー

以下の表はサムスン及び日本メーカーの過去2期の間のキャッシュフローの動きを概観している。数字はすべて各社のアニュアルレポートにのっている連結キャッシュフロー表から拾った*。

*日立のアニュアルレポートの56Pに2010年3月期の財務活動に関するキャッシュフロー(下から6行目)として「502,344」という数字が記載されているが、これはおそらく「-502,344」の間違いだと思われる(そうでないとキャッシュフローの数字が合わないため)。これについては以下で訂正している。
以下各社の直近の決算期におけるキャッシュフロー表において「投資活動におけるキャッシュフロー」及び「財務活動におけるキャッシュフロー」の各区分におけるもっとも大きな支出が営業活動からのキャッシュフロー合計の何%を占めるのかを表にしてみた。
サムスンは概ね通年での営業CFで賄える範囲内で有形固定資産の取得と配当金を行った。ソニーは金融事業をもっているため若干体裁が異なるがほかの日本メーカーは概ね固定資産の取得(投資活動)と借入金の返済または配当金の支払い(財務活動)が大項目である。

2011年9月30日金曜日

サムスンvs日本メーカー④研究開発費

前回サムスン電子と日本メーカーとの間の売上構成の差異を見た。今回は製品を生み出すために毎期費やされる(はずの)研究開発費を比較した。


以下のグラフは各社のアニュアルレポートに記載のある直近期の(年間)研究開発費を同期間の売上で割った数字である。
表を見る限り、日本メーカーとサムスンの間に研究開発費が売上に占める割合において差異はほとんどないようである。

2011年9月29日木曜日

サムスンvs日本メーカー③売上(「何」を「どこ」で売っているのか?)

前回はサムスン(電子)と日本メーカーのBS及びPLの比較をしてみたが、今回はサムソンの売上を日本メーカーと比較するかたちで概観してみる。


便宜のため、前回使用した各社の直近期の売上表(単位兆円)を以下に再掲する(サムスンの計算方法は前回のポストに記載)。
以下ではサムスンのHPを参考にして2010年1-12期における売上の項目及び地域ごとの数字をグラフ化した。
比較のために上表の日本メーカの中で最も売上の大きい日立製作所について同様のグラフを以下にのせる。
注:日立製作所の売上構成は日立のアニュアルレポートにある項目をそのまま抜き出したものである。

サムスンと比較すると、日立製作所の売上構成品目/部門(11部門)の多さと、売上に占める国内割合の大きさ(57%)が目につく。
ただし、以下に示す各社の部門別の売上割合が示すように日立の売上構成品目/部門の多さについてはむしろ日立の特殊事情といったほうがいいかもしれない。
一方サムスンと比較した場合の国内売上比率の大きさ(=海外売上比率の小ささ)は日立の特殊事情ではなく、ここで取り上げた日本メーカーのすべてに共通する。

以下に各社の直近期の売上高に占める国内及び海外売上比率を示す。
サムスンの国内(=韓国)売上割合は日本メーカーの国内(=日本)売上割合と比較するとかなり小さい。これをもってサムスンは「グローバル化が進んでいる」と見るのか、あるいは「国内の市場が日本と比べて小さいため海外売上の比率が大きくならざるおえない」と見るか、あるいは「国内市場の小ささ」→「結果としてグローバル化に成功」ととらえるべきなのかはよく分からない。